愛猫が嘔吐すると心配になりますが、猫が吐くのはそうめずらしいことではありません。その理由は、「毛玉」です。猫は1日平均3.6時間毛づくろいをしていると言われています。毛づくろいをすれば、毛は胃腸に中に入り毛玉になります。この毛玉が排出されないと大きくなって吐き出せなくなったり、腸に溜まって便秘を引き起こしたりする「毛球症」になってしまいます。このようなことが起きないように、毛玉を吐き出すのです。
毛玉を少なくするには、毎日のブラッシングが効果的です。余分な毛を取り除くことで胃の中に入る毛の量が少なくなります。
ペットショップなどでは、毛玉ケア用に「猫草」が売られています。消化器官が刺激されるので嘔吐を促す効果があるようです。
また、「毛玉ケア」用のキャットフードも販売されています。
毛玉ケア用のキャットフードの特徴は、「食物繊維」が多く含まれていることです。胃の中で食物繊維が毛と絡んで、ウンチと一緒に排泄されます。毛玉が心配な方は、毛玉ケア用のキャットフードを選ぶのが良いでしょう。
但し、毛玉ケア用と記載されていても効果が期待できないものもあります。チェックしたいのは、まず、「どんな食物繊維なのか？」を見てみましょう。「トウモロコシ」や「米」が主なものは好ましくありません。さつまいもやかぼちゃなどの野菜がベストです。また、主原料が肉や魚などの良質な動物性タンパク質であることも重要です。
毛玉を吐く回数は猫によってかなりの差があります。一般的には毛の長い猫の方が毛玉は溜まりやすいのですが、中には、一度も毛玉を吐いたことのないネコちゃんもいます。吐かないからといってあまり心配する必要はないでしょう。
毛玉を吐く場合に注意したいのは、短毛種なのに頻繁に吐いたり、以前は吐かなかったのに最近吐くようになることです。同時に体重が減ったり食欲がなくなったしたら何かの病気が原因と考えられます。すぐに動物病院に行って診断してもらいましょう。
毛玉を吐くことはネコちゃんにとっては自然なことです。特に異常がなければ毛玉ケア用のキャットフードを与える必要はありません。それよりも健康維持のための良質なキャットフードを選んであげましょう。